ハンガリーと日本

ハンガリーはリストやバルトークなど、偉大な音楽家を輩出しています。
ハンガリーの音楽を愛好する日本人も多く、じつはハンガリーと日本には似ているところがあると言われています。
たとえばハンガリーはヨーロッパでありながら、名前が日本と同じ姓・名の順ですし、言葉に「てにおは」に当たるものがあり、また温泉大国でもあり、極め付けは赤ちゃんに「蒙古斑」があることです!
ハンガリー人の先祖であるマジャール人は、ウラル山脈の中南部の草原で遊牧生活をしていました。ウラル山脈はユーラシア大陸をアジアとヨーロッパに分ける山脈で、現在のロシアからカザフスタン(中央アジア)にかけての地域になります。
ハンガリー人の祖先は中央アジアのモンゴル系遊牧民であったといわれる由縁です。
一方、日本人の先祖には中央アジアやモンゴルの大草原の人々も含まれていますから(1%)、ハンガリーと日本の先祖に共通する部分があったということになります。
勢い、「日洪同祖論」なども飛び出すわけですが、これは俗説と言われています。
また「汎ツラニズム」という考え方があり、これは中央アジアを起源とする民族の民族的・文化的統一を主張する動きのことです。ツランとは、ペルシャ語で「中央アジア」のこと。
ツラニズムの範囲には諸説ありますが、ハンガリーと日本もツラン系民族に含まれていますから、広い意味ではハンガリーと日本はツランの仲間ということになります。
私たちがハンガリーの音楽に共感や郷愁を覚えるのは、じつに広大なユーラシアの先祖の交流があったということなのですね!
遠いようで実は近いハンガリー。
現在のハンガリー人は、ヨーロッパでの混血が進んで、外見は白人のようですが、じつはヨーロッパの中でハンガリーはアジアの要素が強く、かなり特殊な存在になります。
ハンガリーの先祖は馬に乗っていたので、日本とはかなり違うのではないかと思っていましたが、日本もユーラシアからもたらされた馬に古代から親しんでおり、信濃や甲斐も良い馬の生産地として飛鳥時代から注目されていました。
音楽の中に頻繁に聞こえる馬の足音が、遠くの先祖をつないでいる印(しるし)なのかもしれません。
ぜひハンガリーの音楽をきいてみて下さいね!

2021年03月08日